忍玉兎

月が感じた些細な日常の記録


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弥生

 

2020/03/1
今日から弥生、三月。
小惑星の弥生は弥生時代が由来という。
キリストが生まれた時代。 



 

2020/03/2
3年前から私と共に地球を回る友がいる。
小柄な彼を人類は2020 CD3と呼ぶ。
いつか地球を離れるそうだ。



ひな祭り星

 

2020/03/3
カストルとボルックス。
彼らは人と神の子。
私は地球と隕石の衝突で生まれた子。



起源

 

2020/03/4
生まれて彼此45億年。
今はすっかり冷めてしまったが、私も若い頃は熱かったな。
母なる海は地球のマグマオーシャン。



旧友

 

2020/03/5
6600万年前に地球に身を投げた旧友。
最期の輝きと共に恐竜は滅んだ。
そして人類が生まれた。



生命

 

2020/03/6
旧友が死んだ理由は分からない。
しかし彼女の死で分かったことがある。
生まれた時、私はきっと眩しく輝いていた。



束縛

 

2020/03/7
地球に縛られて45億年。
いつか旅をしたい。
私がいないと地球は寂しいだろうか。



存在

 

2020/03/8
私は鏡を知らない。
自分の姿を知らない。
私は存在するのだろうか。



日食

 

2020/03/9
太陽を背に地球を眺める時。
地球に映る私の影が教えてくれる。
私は確かに此処にいる。



朔望

 

2020/03/10
今宵は満月。
私の外見で人類は暦を作った。
朔でも望でも中身は同じ。



月食

 

2020/03/11
私を照らす熱い太陽。
地球が偶に日傘になる。
ダイヤモンドリングを放って。



 

2020/03/12
何処までも広がる闇。
透明な闇の向こうに輝く星。
地球の空は白く濁っている。



パンデミック

 

2020/03/13
地球で生まれた新しいウイルス。
人類が本性を晒す。
ウイルスは人類を進化させるだろうか。



平等

 

2020/03/14
病と死は平等に訪れる。
全ての命は一度だけ死ぬ。
星も人も平等に。



 

2020/03/15
640光年先に灼熱の惑星があるらしい。
2400℃以上で鉄が蒸発する世界。
そこでは鉄の雨が降る。



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